この水質調査は3ヶ月ごと年に4回、大原を流れる高野川の2カ所での定期観察です。ひとつは学校前の高野川と呂川との合流地点です。もうひとつは高野川と宮川との合流地点です。それぞれ高野川へと流れ込む支流が合わさるところです。呂川は梶山を源とし、三千院の近くを流れ 旅館や土産物店のそばを通ってきます。宮川は金毘羅山を源として江文神社から井出町の畑や民家の間を流れてきます。
調査の方法はパックテストを使用し、水に含まれている物質のいくつかを化学的な方法で数値化します。この結果は琵琶湖・淀川水系水質保全機構のBYQネットワークに参加し、得られたデータを送付しています。淀川水系の各地では、ほぼ同じ日に水質調査を実施しています。
調査項目は天候、気温、水温、COD、アンモニウム態窒素、硝酸態窒素、リン酸態リン、水の濁り、におい、川原の観察、水深、川底の観察などです。三千院のそばを通ってくる呂川が高野川に合流する地点は、秋11月の観光シーズンにはCOD値が悪くなることがありました。 宮川は江文神社あたりから流れてきて 高野川に合流する地点です。上流の民家からの排水によるものか、畑の肥料なのか 急ににごっていたり、アンモニウムイオンの値が悪くなることがあります。
2011年までは、大原に下水道が整備されていませんでした。そのため家庭からの排水処理には、つぎのどちらかの方法がとられていました。ひとつは合併浄化槽です。トイレからの汚水と台所などからの生活排水を合わせて、家庭に備えられた合併浄化槽で有機物を分解します。このあと川へと流されていました。
また、浄化槽を備えていないところは、トイレの汚水をバキュームカーで集め京都市の施設でまとめて処理をしていました。ただし、台所からや洗濯の排水はそのまま川へと流されてきました。畑などに使われている肥料の一部が川へ流れ込んでいることもあると思われます。人口の少ない頃にはそれでも川本来がもっている浄化能力が こうした汚れを分解できていたのでしょう。
下水道ができる頃まで、私たちの水質調査では観光シーズンの毎年11月には、川の浄化能力を超えてしまっていることを示していました。
下水道の整備が2011年には完成したので、高野川の水質も改善されてきたと思われますが、すぐにすべての家庭からの排水が下水道につながったわけではありません。
それでも 2014年以降の調査結果ではCODなどが観光シーズンにも良くなってきている結果が得られています。これからも私たちは水質調査を続けて 高野川の水質を見守っていきます。
大原の上水道設備のひとつは高野川の伏流水を利用しています。さらに上流のひとたちがきれいに水を使ってもらっているおかげで、私たちが安全に水を利用できているのです。わたしたちの大原から高野川へと排出した水は 大阪湾へと流れていく途中で、たくさんの街でこの川の水を水源として飲料水が使われています。川の上流に生活するわたしたちが、そのことを忘れないようにしなければなりません。 (K. Kakuda)








をふやそうと、保護活動に子どもたちと取り組んでいます。

はじめの3年間は学校のグラウンドからのオオムラサキを放ちました。でも学校からでは見てもらうのが生徒たちと保護者に限られていたので、最近は里の駅大原において7月初めに開催しています。ここには大原地域のひとだけでなく、多くの観光客の方も来られ保護活動を知ってもらえる機会になっています。