「大原朝市と私」　　　　　　　　　　　京都大原学院　８年生

　皆さん大原という所を知っていますか？大原は、三千院、寂光院など有名なお寺があり歴史と自然に恵まれた素晴らしい地域です。私たちは、その自然と共存して生活をしています。そして私は、その大原で行われている朝市を通して皆さんに伝えたいことがあります。
　大原朝市とは、毎週日曜日の朝６時から大原の人々によって市が開かれ、大原で採れた新鮮な野菜やそれを用いて作られた加工食品、また手芸品などを売っている所です。私が在学している京都大原学院も朝市に学校農園で採れた野菜などを販売することがあります。
　私の家も、この朝市に出店しています。家族全員で役割分担をして商品を作り販売しています。私は、中学生になってからは部活動や勉強などで時間をとられ、家族を手伝うことが少なくなってきましたが、部活動まで時間がある時や手が空いた時には自分が出来ることをします。私がする手伝いはシール作り、シール貼り、野菜の袋詰め、包装、パック詰め、そして一番多い仕事では、家族と共に朝市で販売をすることです。
　しかし、私にも少し不満に思うことがあります。それは日曜日の朝５時に起こされ、先ほど挙げた仕事をすることです。そうしないと家族の一員としていけないのは分かっていても、つらくて少し不機嫌になったりします。
　家族との朝市を中心とした生活が、私には段々「当たり前」のように思えてきています。　しかし、他の人にこの話をすると「朝、早や！？」と言われ珍しがられます。私は、それぞれの家族には、それぞれの生活があり、それぞれの家族に応じた生活習慣があるのだと思います。子供なりに、家の状況を理解し、家族の役割を分担し手伝うことは、家族の一員として当然のことだと思います。
　私の家族と他の家族との生活習慣の違いが２つあります。一つ目は、私の家族は「外出する回数が少ない」という事です。家族の「外出が多いこと」は凄く魅力的に思えますが、誰かが外出したいと思っても、「休日は朝市の仕事」という事情によりできません。二つ目は、私の家族は「家族でよく話をすること」です。この生活をしているからこそ、家族が密接に関り合って生活が出来ているのではないかと思います。この家族の密接な関り合いが、家族の会話を多くしているのだと思います。朝市が、私たちの家族の絆を強くしてくれていると思います。やはり、私はそこで「頑張らないと｡」と思います。
　どうせ朝市を手伝うなら、上手に手伝いたいと思い「生き方探求チャレンジ体験」で、私は「北大路ビブレ」へ行きました。雑貨店では接客販売という経験もしました。それはどこか朝市のような感じを持ちました。ある時、従業員さんから「声かけが上手だね｡」と褒めて頂きました。私は少し自信がつきました。他にも商品並べ替えなど色々な仕事をさせてもらいました。
　おかげで、販売の知識やコツ、接客でのマナーや積極性などの学習ができました。この学習で得た経験を実際の朝市で実践すると、自分が初めて販売したときよりも、だいぶ良い接客が出来ているのと思いました。朝市では、販売するためには接客の良否が重要になります。知らないお客さんと話すということが最も重要になります。接客には、緊張感や恥ずかしさが伴い、最初のうちは全然声が出ませんでした。ですが、今では声が出せるようになり、また小さい頃から私を知っている人が買いに来て下さり、親近感や励ましを得て楽しみも増えて、朝市販売するのがとても楽しいです。
　朝市では、お客様は勿論のこと、出店している多くの大人と接します。人と接するときの基本は笑顔です．これは人から言われたのではなぐ、自分が父や祖母を見てきて学んだ事です。この笑顔は、「お客様を大事にする心からくるのではないかと思います。このような心がけで自然と笑顔になります。因みに祖母の笑顔はとても綺麗でお客様に大変人気です。
　私の朝市での楽しみは、全部売り切れた時の達成感と、家族に感謝される事です。勿論お客さんに言われるお礼も好きです、でも私の一番は、家族に「手伝ってくれて助かったわ、ありがとう」と言われる事が大好きです。本当に、手伝って良かったと心の底から思います。
　私はこの家に生まれてきて良かったと思います｡それは、私の家族は私が立派に成長できるように、家族のふれあいを大切にし、仕事で何か重要であるかを教えてくれているからです。私は、この家の子供として、家族の一人一人の仕事を軽く出来るように、さらに手伝って行きたいと思います。
　最後に、今日の社会においては、核家族化や地域社会の崩壊が問題になっています。しかし大原でぼ、朝市を通して、家族のふれあいや絆を深くし、朝市に集う地域の方々の心のふれあいが図られています。このような、大原の地域が私は大好きです。